明治時代、函館の中心の一部であった弥生町で昭和時代まで営業していた質屋が閉鎖後、前回のハコトリで見事に甦り、そのままギャラリー・ショップ・カフェとして営業されているお店。建物も明治時代部分、大正時代部分、昭和時代部分があり、それぞれの時代の香りを感じながら、アートを楽しむことができる市内でも稀有なアートスペースとなっています。

このお店は、前回のハコトリのHCAで甦った後、経営者ご夫婦の長きに亘っての地道なマイナーチェンジの繰り返しによって現在の店内形態があります。また、その古く重厚な建物の雰囲気とご夫婦の人柄に引寄せられて、多くのアーティストさんたちも集まってくる、今では函館になくてはならないお店のひとつとなっています。

そんなお店の中の土蔵部分(明治時代建築)では二人の作家さんの作品が展示(公開)されています>

コイズミタイチさんの木彫。ここの見どころは、作品もそうですが、その配置によってできる空間でもあります。個々の作品の良さを惹きたてるスペース利用と相まって、その場所にこの作品があって当然と思わせてくれています。そして、作品が持っている表情をじっと見ていると、何かを語りかけていることに気付くでしょう。語りかけているものは何か?それは見る人によって違うでしょう。

土蔵の二階に上がると、大島慶太郎さん(ドイツ・ケルン在住)が製作した映像が上映されています。ひとつの写真が止まって映し出されたり、幾重にも重なったりとしながら展開される作品。しかし、一瞬しか映し出せれないものでも、個々の写真に施された表現には、作者のイメージが凝縮されているかのような印象を与えてくれます。

海がテーマとなっていますが、どこの海なのかは、実際にご覧になって確認してくださいね。

さて、順番が逆になってしまいましたが、お店に入ると、まず飛び込んで来るのが、紀あささんのファンタジックな世界。函館市内在住の谷目基さん製作による手回しオルガンの周囲に散らばれた数々の写真は、紀さんが目にした素敵な光景を集積したかのよう。

今週の15(土)16(日)17(月)とトリエンナーレ最後の29(土)30(日)の13時と15時に手回しオルガン演奏とパフォーマンスが披露されます。定員15名となっていますので、予約をされた方が確実かもしれません。

お問い合わせ・予約は、  ギャラリー三日月  0138-87-0787 です。

 

(文・写真/ハコトリ実行委員 前田)